アトピーと入浴未分類

子どものアトピー肌に。肌バリア効果を最大に引き出す「入浴+保湿」の方法

この記事は約12分で読めます。

こんにちは。ぺち母(@mom_pechi)です。

このブログでは、アトピー性皮膚炎の子どもをもつパパママ、保護者の方に向けて、普段のアトピー肌ケアのポイントや毎日を笑顔で過ごせるような日々の工夫や、おすすめアイテムについてを解説しています。

子どものアトピー肌は、肌の状況によって行うケアが変わることがあると思いますが、たった一つどんなアトピー肌の状況でも行った方がいいケアがあります。

それは「保湿」です。

ぺち太郎の全身赤剥けのアトピー肌をつやつやの健やか肌へ導いた一番のポイントは、①薬をきちんと塗り続け、②毎日適切に保湿すること でした

なかでも今回は【夜、入浴後の保湿】に絞ってお話しをしたいと思います。

入浴後の保湿が重要な理由

アトピー性皮膚炎では,皮膚バリア機能と保湿因子が低下している(略)そのため非特異的刺激による皮膚のかゆみを生じやすく,また,種々のアレルゲンの侵入が容易になり,皮膚炎を惹起しやすいと考 えられている.保湿外用剤(保湿剤・保護剤)の使用 は,アトピー性皮膚炎で低下している角質層の水分含 有量を改善し,皮膚バリア機能を回復・維持することで,アレルゲンの侵入予防と皮膚炎の再燃予防,痒みの抑制につながる

「日本皮膚科学会ガイドライン」アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2018 https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/128/12/128_2431/_p

お肌の防御力をあげて、きずや湿疹の回復を早めるためには、清潔なお肌適切な水分がある状態をキープしつづけることが大事なんだね

アトピー肌の子どものベストな入浴タイミング

お風呂上がりの保湿

アトピー肌を改善したいと思い、ぺち家では、まず保育園から帰宅したらお風呂に直行することになっています。そしてお風呂あがりに保湿します。これはワンセットです。なぜ帰宅後すぐ入浴するかというと・・・

帰宅後すぐ入浴で得られるメリット
  • 保育園での一日の汚れを落とすことで想定外のアレルゲンを除去する
  • 溶連菌やインフルそのほか感染症や風邪など、免疫力を下げる要因をいち早く除去しアトピー悪化を予防する
  • 子どもが眠くならず親も疲れて面倒くさくならないうちにササッと済ませられる
  • 早く寝つくためのステップ
  • 体が温まったせいで寝る時に痒みが出る要素をできる限り少なくできる(寝るまでの時間で体温を下げていく)

アトピーの大敵、アレルゲンとなるホコリや、ばい菌ウィルスは目に見えないので意識しにくいものだけれど、肌から避けることはとても重要。「帰宅したら入浴」とセットのルーティン化してしまうことが一番楽ちん!

浴室内の保湿[最もおすすめ]

入浴後保湿で一番大切なのは「湿気」

適切に入浴を終え、体が清潔な状態になったらいよいよ保湿。
保湿は、浴室内で行います。
具体的には、薬を塗り、保湿をし、肌着を着るところまでを浴室の中で行います

なぜわざわざ不便そうでさっぱりしなさそうな浴室内で?
というと、

ぺち太郎の場合
ひとたび浴室から出てしまうと親の静止を振り切って
よく体を拭きもせずにリビングへダッシュソファにダイブ!
もしくは隣の寝室へダッシュ!
体が濡れたままで布団の上を転がり回るという地獄が発生するわけです。

ねえ。
浴室で丁寧に体を洗い、時間を守って入浴したあの苦労が水の泡でしょうよ…(白目)

せっかく体を綺麗にしたのに、なぜそこに埃やダニの死骸をなすりつけるようなことを…
いや4歳5歳を叱っても、「裸ん坊お布団ダイブ」の魅力には抗えないのは仕方ない、
しかし、そこからの、イライラモード、叱って保湿、の流れ。
これをどうにかして変えたかったのです。


そこで、どうせなら

湿度の高い浴室内で、保湿から着衣まで行うことで、入浴後の肌の乾燥も防ぎ、脱走も阻止してしまえばいい!と、ひらめいたわけです。
閃いた私天才、と打ち震えました。


具体的には、
入浴が一通り済んだら、バスタブの蓋などをサッと拭き、保湿道具と着替えを並べます。
(タオル・薬・保湿剤・肌着)

濡れないようにできるのであれば、初めから持ち込んでもOKですが、
毎回入浴の際浴室ドアの前に、これらの道具をバスケットなどに入れた状態でワンセットにして置いておくのがおすすめです。水蒸気を室外に出さないことがポイントなので、換気扇はオフにし、浴室のドアもなるべくすみやかに開閉します。

浴室内で肌から潤いを逃さない保湿手順

ぺち親子の場合、大前提として、浴室内は「何か屋」であることが多いです。
お風呂タイムを何かのごっこなどの遊びにしちゃう感じです。
そうやってこちらから子どもに遊びアプローチをしながら、以下の手順で保湿を行なっていきます。

  1. 清潔なバスタオルを肩からふんわりとかける
  2. 髪の水分をしっかりタオルドライ(体に水滴が落ちてくると保湿剤が肌に馴染みにくくなります)
  3. 顔・首の薬と保湿をする
  4. お尻、鼠蹊部の薬と保湿 → パンツをはく
  5. 腹・胸・背中の薬と保湿 → 上半身の肌着を着る
  6. 腕・足の薬と保湿(どちらが先でもOK)脱衣所へあがり着衣
  7. 頭皮やそのほかに薬を塗る箇所があればアウトバスで行う

保湿を行う前に、各部位の水気は、優しく1で肩からかけたバスタオルで抑えて拭き取りながら行います。
足元が濡れているので、肌着が濡れてしまうこともありますが、浴室内の湿気は利用しない手はないのでスクレイパーやバスマットを活用しながら、工夫しつつトライしてみてください。
浴室に持ち込めるバスケットのおすすめはこちら。

アトピー肌に悩む小さな子どもの入浴温度についてはこちらの記事を参考にしてみてください。

もしお風呂の空気が乾いてしまっていたら

お風呂の温度自体が低いため、そんなに湯気もくもくのお風呂空間にならない場合があります。
そんなときには、熱めの温度設定にしたシャワーを壁や浴槽に向け、肌にかからないように(火傷しないように)流して浴室内に蒸気を充満させた状態で保湿を行います。

・シャワー、水道について
我が家では蛇口、シャワーヘッドに浄水器をつけて使用しています。塩素やトリハロメタンなどの刺激物質を除去し、肌あたり柔らかくしてくれます。

→ぺち家でリピート中の浄水シャワーヘッド
→ぺち家で使っているおすすめな浄水器

アウトバスでの保湿のコツ

前述の通り子どもの保湿については、何を使うかより、どう負担なく毎日続けるかがポイントです。
浴室内での保湿がベストですが、本人が嫌がる場合はアウトバスに切り替えても大丈夫です。その際のコツをお伝えします。

あらかじめ空間を適温にしておく

寒いと余計、子どもは保湿の時間を嫌がります。
保湿の間快適でいられるように、あらかじめ空間を温めておくことが大切です。
特に夏よりも冬の方が空調は必須です。
なぜなら、アトピー肌の入浴では湯船の温度も低く、お湯に浸かる時間も短いため、冬場に体をぽかぽかに温められないから余計に寒さを感じるのです。
ポータブル加湿器もおすすめです。あるなら是非使って、なるべく室内が乾燥しないようにします。

バスローブや大きなバスタオルを活用する

素裸でいるよりも、一枚ローブのようにタオルを羽織っておきます。
冬場は特に寒さ対策と、湯上がり肌の乾燥を防いでくれる役割があります。
ほかにも、赤ちゃんの時から使っていたくま耳フードつきのオーガニックコットンのバスローブが活躍しています。

プールなどの時に使うポンチョタオルもいいかもしれませんね。
これはオススメというものがあれば教えて下さい。

アウトバスで肌から潤いを逃さない保湿手順

  1. 髪の水分をしっかりタオルドライする
  2. バスタオルを肩からふんわりとかける
  3. 顔・首の薬と保湿をする
  4. お尻、鼠蹊部の薬と保湿 → パンツをはく
  5. 腹・胸・背中の薬と保湿 → 上半身の肌着を着る
  6. 腕・足の薬と保湿(どちらが先でもOK)脱衣所へあがり着衣
  7. 頭皮やそのほかに薬を塗る箇所があればアウトバスで行う


塗る順番は、浴室内での保湿と基本的には同じですができるだけ手早く行います。
ぺち太郎はバスタオルを頭からかぶって、肩からポンチョのように纏うスタイルで
塗っていない箇所を保護しつつ、保湿剤を塗った順に肌着を身につけています。

湯上がりに絶対やってはいけないこと


アウトバス保湿の場合に絶対やってはいけないことは、
寒いからと濡れた肌のままファンヒーターや扇風機などの風の出る機器の前に行くこと。
風を濡れた肌にあてることで、肌の乾燥を促進してしまいます。

温泉水ミストを活用する

保湿中、肌が乾燥してきた時に便利なのが温泉水ミストです。

子どものアトピー肌へ、どんな原料が入っているのかわからない市販化粧水やローションを使うのは躊躇しますよね。

ぺち母が使っている温泉水ミストは、
皮膚病の治療センターもあることで有名なラロッシュポゼ村の温泉水です。
比較的安心して使うことができます。
ラロッシュポゼターマルウォーター

ぺち母が一度フラクショナルレーザーを行った時に、
皮膚科からダウンタイムにラロッシュポゼのミストだけ使用可といわれ、数分おきに火傷様の肌に吹きかけていたことからこのミストを使うことを思いつきました。

霧状に広くスプレーが出るので、照準を絞らなくてもまあまあ広範囲に水分を与えられて楽ですし、
水ですから部屋のあちこちでシューしても「掃除をしないとベタつきが気になる」などがないのもオススメポイントです。

温泉水のアベンヌウォーターのスプレーだと、もう少し値段が安く手に入ることが多いですね。

→アベンヌウォーターはこちら

このアイテムがあれば、万が一ぺち太郎が元気に脱走しても大丈夫。
スプラトゥーンごっこのようなことをいいながらきゃっきゃとミストして肌へ水分を補給します。

ちなみに、個人により、成分が肌に100%安心ということではないので、新しくトライする場合には、はじめにパッチテストをおすすめします。
また、温泉水単品で保湿効果があるものではないため、保湿剤を塗り終えるまでの補助として使用することをオススメします。

ポイントは本人に協力的になってもらうこと

子どもの保湿については、何を使うかより、どう負担なく毎日続けるかがポイントです。

小さな子どもに長い時間じっとしていろというのも無理な話ですし、夕方はただでさえ、やることもたくさんあります。パッと塗ればスグ終わるのに、なかなか話を聞いてくれないとこちらもだんだんイライラ…

「毎日叱りながら保湿」の日々は、親子でストレスも増え、お互いに辛く、ルーティンも長続きしません。

ぺち太郎になるべくじっとしてもらえるよう、
なおかつ本人からも能動的に保湿作業に乗ってくれる方法を工夫することで、負担なく毎日の入浴~保湿をルーティン化しました。

ポスターでクイズ、ごっこあそびなどで楽しい時間に

脱衣所やお風呂に子どもの興味のあるジャンルのポスターを貼っています。
ぺち太郎は魚やポケモン、マインクラフトが好きなので、自作のマイクラポスターや公文の数字ポスター、ぺち太郎の好きなキャラクターやアイテムで構成したアルファベット表、鉄道日本地図を貼っています。
これを使って、保湿の間はクイズタイム。

アルファベットの「L」から始まる動物なーんだ!(ぬりぬり)

ええと…(集中してポスターから探しているので動かない)…わかった、ライオン!

せいかーい!じゃあ次はね…(ぬりぬり)

子どもにそちらを向かせて立たせ、ポスターの中からクイズを出しながら保湿をします。
飽きそうになったら子どもにクイズを出して!と攻守交代したり、連想クイズにしてみたり、
地図や国旗、動物など、何種類かバリエーションがあると毎日飽きずにやってくれました。

また、ぺち太郎の場合はステロイド薬がさまざまな種類あったので
チューブやケースの蓋の色ごとに、新幹線や電車のパワーがあるという設定になりました。
こまち、つばさ、ひかり、のぞみ、はやぶさ…など。

次はこまちっち!

オッケー!こまち、E6出動します!(ぬりぬり)

その時々に流行っているものごっこをしながら保湿するのもいいですね。
子ども主体の遊びの中に取り込んでしまったら、ぺち太郎も面倒がらずに保湿、薬を塗る時間を楽に感じてくれていたようです。

お風呂にはれる遊べるポスター
・恐竜が好きな子にはこちら 
・お受験にも対応できる色々な知識ポスターはこちら
・科目別、宇宙、地図など選べるポスターはこちら

ちなみにぺち太郎はまっぷるがだした新幹線と日本地図のポスターを貼っています。都道府県クイズや好きな新幹線クイズなどで楽しく遊んでいます。

疲れている時は無理しない

そうはいいながら、機嫌よく子どもに付き合えない日もありますよね。
保護者の余裕も同じように大切にしたい。
使えるものは使っていきましょう!
最終奥義、YouTube!そのほか盛りだくさんの動画コンテンツ。

なんならこれが一番疲れませんし、じっとしていてくれます。

ただ、皆さんご存知の通り、動画は依存性が高いのと、動画の見過ぎは小児の高次認知能領域の発達や言語知能の発達に悪影響があると東北大学で研究結果も出ています。
我が家では、最終奥義として、Youtubeは奥の手です。
臨機応変で使い分けるのがいいのかなと思います。

大人もできる限り早く自分をケア

まだまだ小さな子どもと一緒にお風呂のときには、大人もお風呂上がりの自分のケアタイミングが難しいですね。でも、アトピーではなくても、大人の肌もしっかりと労わりたいです。

取り敢えずできる保湿

フェイスマスクをまず貼る、スプレーのローションやブースターなど「取り敢えず」の保湿をして、子どものケアが終わるまでを凌いでいます。
パッと素早く装着できるおすすめのフェイスマスクはこちら

1袋ずつ開けるのももどかしいので、すぐに取り出せる仕様のマスクがおすすめです。

【ママのシートマスクを怖がる子の場合】
ブースターや部分パットはどうでしょうか。
また、ポンプタイプの化粧水はステップが少なく、時短ができるのでおススメ。

現在ぺち母は魔女工房のガラクナイアシンをブースターとして使っていますが、これだけでひとまずもっちりしてくれます。とりあえずこれだけ顔にふって、ぺち太郎の保湿を終えてから自分のことをしています。

バスローブで体も保湿

お風呂から出たらまず保護者はバスローブを纏ってしまうのがおすすめです。
それだけで子どものことを先に全て終わらせられます。

バスローブを使うメリット
  • タオルで肌を摩擦しないので肌に優しい
  • 湯上がりの肌がそのまま保護されて保湿される。
  • バスタオルのようにずり落ちない
  • 肩が冷えない、寒くない
  • 毎日洗濯しなくても大丈夫なので洗濯物が減る
バスローブを使うデメリット
  • アトピーの子どもが肌に直接触れるので、洗濯時に柔軟剤を使えない
  • タオル生地なのでカピカピになりやすく、生地が厚く乾きにくい(乾燥機がオススメ)
  • 下げておく場所が必要

保湿タイムはスキンシップタイム
ぺち太郎に保湿剤を塗るとき、よく
おなかや背中には、保湿剤でスマイルマークをかいたり、また
「ぺちたろうのかわいいおなか〜!ぺちたろうのかっこいい脚〜!ぺちたろうの元気な肩〜」など
愛しい気持ちをこめて1箇所ずつ保湿を丁寧にしたりもしています。

こどもはきっと愛情を感じてくれると思いますし、
親子とも大変なお薬保湿タイムですが、この言葉を添えるだけで幸せな気持ちでいっぱいになります。

スマイルも「:)」だけでも、鏡を見たこどもはそれだけでも喜んでくれたりするものです。

保護者からの愛情を感じられたら子どもの自己受容感も上がって一石二鳥!
※もちろん毎日そういうわけにはいきません、
余裕のあるときに心がけられれば、それで十分です。
皆様、毎日お疲れ様です!

子どものアトピー肌を健康肌に導くための保湿の鍵は「お風呂上がり」。ポイントは、以下に水分を逃さず、毎日の大変さやしんどさを少しでも軽減しながら保湿を継続できるかです!
工夫していけば親子時間にも変身します。「無理なく続けられる」ことを意識してみましょう。

「アトピー・敏感肌」とひとくちに言っても、肌の傷やかゆみ、掻きこわしなどの状況によって、ケアの合う合わないの個人差があります。基本的にはかかりつけのお医者さんの指示に沿っていただいたうえで、悩んでいる方へ一つの参考にしていただけたら嬉しいです。

タイトルとURLをコピーしました